Column
スイコウ倉庫です。
みなさんは建築業界にどのようなイメージを持っていますか?
「きつい」・「きたない」・「危険」いわゆる3K…
…このようなイメージではないでしょうか。
しかし、昨今建設業界では
3Kのイメージを払拭しようと「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定し現場環境の改善に取り組んでいます。
その取り組みの1つとして業務効率化(IT化やICT化の推進)の取組があります。
今回は、IT・ICTが活用されることにより、建設業界で今後どのような働き方となってくるのか一緒に見ていきましょう。
■建設業の働き方改革の現状と取組
先程も話しましたが、建築業は、社会から「きつい」・「きたない」・「危険」な仕事いわゆる「3K」という認識を持たれています。
高齢化が進んでいる日本において、建設業でも、人手不足は深刻な問題となっています。
これまで長年にわたり建設業に従事してきた人が、高齢になり引退していく中、若手の確保が十分にできていない企業が少なくありません。
さらに建設業の生産性は長く向上していないという現状があります。
バブルが崩壊してから建設業では労働力が過剰状態であったため、人員を削減するための省力化を行う必要がなく、建設現場の生産性を向上させるような施策が不要とされてきました。さらに工事の内容や工期が現場ごとに異なるため、仕組みのパターン化・簡略化が難しかったり、下請業者・協力業者との連携がしづらかったりという特徴も関係しています。そのため他の業界と比べて生産性の向上が熱心に行われず、結果的に発展が鈍化してしまったのです。
しかし、昨今において、建設業は「働き方改革」を取組に前向きな姿勢を取っています。
平成27年には、当時の国交省大臣と日本経団連が建設業の担い手確保のために「給料・休日・希望」といった新3Kを提唱し、建設技能者の処遇改善に向けた提案をしてきました。
■建設業働き方改革加速化プログラム
さらに建設業の現場環境を改善するため、国土交通省は平成30年に「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定しました。これは週休2日の確保をはじめとした働き方改革を、さらに加速させるために作られたものです。
内容としてこのような取組が挙げられました。(1例)
(1)長時間労働の是正に関する取組
・週休2日制の導入を後押しする
・各発注者の特性を踏まえた適正な工期設定を推進
(2)給与・社会保険に関する取組
・技能や経験にふさわしい処遇(給与)を実現
・社会保険への加入を、建設業を営む上でのミニマム・スタンダードにする
(3)生産性向上に関する取組
・中小の建設企業による積極的なICT活用を促すため、公共工事の積算基準等を改善
・工事書類の作成負担を軽減するため、公共工事における関係する基準類を改定するとともに、IoTや新技術の導入等により、施工品質の向上と省力化を図る
・限られた人材・資機材の効率的な活用を促進
(国土交通省HPから参照)
■IT活用する価値は十分にある
今回取り上げたいのは、(3)生産性向上に関する取組です。
その一例として「ICT・IoT」の活用を促すという記載があります。
これまでの建設業におけるITツールの活用は、設計・図面に関するCADソフトや、事務方では積算、見積システムが中心でした。
もちろん今後の建設業界においてもこのような業務で引き続き活用されるツールとなりますが、
加えて現場では工程管理、品質管理、原価管理、安全管理を行う必要があります。
そのすべての業務に関して、ITツールを利用する価値があるのです。
ITツールを活用することで、今まで1日かかっていた作業が半日で終わったり、そもそもその業務を行う必要がなくなることもあり得ます。日々多忙な建設現場では、ITツールに慣れるまで時間がかかりますが、結果的には業務効率に繋がります。
■ITツールでの作業効率化
社内ではクラウドサービスやグループウェアアプリで効率化が図れます。
例えば…
・社内の情報を一元化できます。(社内や部署内、現場における情報共有、工程、スケジュール、各報告、フローが必要な書類など)
・万が一のデータ紛失時においても、クラウドに保存しておくことでバックアップが取れているというBCP対策にもつながります。
・社外時でもデータが閲覧・編集できるという移動のコストや時間のカットができます。
現場で使えるITツールでは、顔認証&非接触検温のできる入場ゲートというツールがあります。
・ゲートを通過するだけで入退場の管理と健康状態の監視
・問題がある人間が通過しようとした場合、アラームなどで知らせてくれるようになっています。
・体温を測定、入場した日付・時間・人物・体温などを即データ化する機能によって、今まで手作業で行っていた、
作業員の安全や健康、入場管理もITツールによって効率化することも可能です。
このようにこのようにITツールを取り入れることで
建設現場にいる人たちだけでなく、事務方で働く人にも効率良く仕事が進められるようになります。さらに建設現場の生産性向上によって人手不足の解消や労働時間の改善などがみられるようになり、建設業は働きやすさが増しています。
経営者側も一つのシステムで情報を一元管理すれば、どこにいても情報を把握することができるので、心強いツールとなります。
前項で挙げることができなかった建設業で活用できるITツールとして次のようなものが挙げられます。
□現場・事務方 会社全体で活用できるツール
ビジネスチャット |
LINEWORKS |
スケジュール・書類管理・フロー |
各種グループウェアアプリ |
情報共有・データ保管 |
各社クラウドサービス |
オンラインミーティング |
Zoom、Microsoft teams |
□建設現場で活用できるツール
工程管理 |
アンドバッド、ダンドリワーク |
仕上げ検査 |
仕上げチェッカー、LAXSY |
図面・写真管理 |
フォトラクション |
電子黒板・写真整理 |
蔵衛門・Site box |
資機材搬出入・揚重管理システム |
ダントール |
労務安全書類管理 |
グリーンサイト |
また、ドローンを活用した進捗管理、安全管理、品質管理、測量などで業務の効率化が図れます。
ドローンについては過去に取り上げています。こちらをご参考下さい。
昨今、少子高齢化において、特に建築業界は人手不足の解消と生産性の向上が急務になってきております。
その対策として重要になってくるのが【ICT】「Information and CommunicationTechnology」、ITを駆使し
コミュニケーションを図っていくことだと思います。建築はいくら、設計図が素晴らしくても、現場での作業が
無駄なく、しっかりしていなければ、いいものは作れません。そこで、タブレット等などのツールを駆使し、
情報の共有化を行った上で打ち合わせによる人の移動の省力化・作業員の身の安全の確保・体調不良の早期発見、
また、天候や立地環境に対応した現場監視カメラシステムの導入など、ツールを駆使し、業界全体で
よりよい作業環境の構築が必要だと考えられます。
倉庫・工場などに特化した無柱空間の「システム建築」
株式会社スイコウ
〒132-0024
東京都江戸川区一之江 7-65-28
0120-66-0064
お問い合わせ