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鉄骨造おける構造検査事項

スイコウ倉庫です。今回のテーマは、鉄骨造においての主な構造検査について見ていこうと思います。

鉄骨造建築の際、構造検査に必要なのは鉄骨の部分だけだと思っている方もいませんか?

実は「鉄骨建物を建てる前」「コンクリートを打つ前」「鉄骨を建てる際」の大きく3つの工程時にそれぞれ検査が行われます。

すなわち鉄骨そのものではない、鉄筋やコンクリートなど、鉄骨造において深くかかわる建材そのものの検査も必要になってきます。

現在、倉庫建築の約7割が鉄骨造と言われていますので、今回のコラムでどのような構造検査が必要となるか見ていきましょう。

1.鉄骨建物を建てる前に必要になってくる検査

①杭芯検査

杭芯とは杭の中心を意味します。

杭とは構造物を固定したり支持したりするため、地盤中に打ち込む「棒状」のものです。

鉄骨造は建物が重くなってしまうためこのような棒状のものを地中に埋め、建物とつなげることで効力を発揮します。杭に関しては以前にコラムにて紹介しました。こちらをご参考下さい。コラム「杭と地盤」

これは地盤の状況や建物の重さにより設計の段階で杭の位置が決まっているので、杭を打ち終わった段階で設計通りに杭の中心がずれていないかを確認する検査になります。

杭芯検査は自主検査になります。

 

②鉄筋・配筋検査

杭芯検査が終わり、杭を打ち終わった後、地中梁や基礎を打ちます。

その後、鉄筋・配筋検査を行います。

鉄筋・配筋検査とは鉄筋が正しく配置されているかどうかを確認する検査です。

柱・梁・壁・スラブ・基礎など、それぞれの鉄筋の配置と、寸法・数量・種別などを示した図面を「配筋図」といい、コンクリートを打ち込む前に、この配筋図に基づいて正しく鉄筋が配置されているかを設計監理者が検査します。

 

2.コンクリートを打つ前の検査

③スランプ検査

スランプ検査ではコンクリートのスランプ値を確認する検査となります。

スランプ値とは、凝固する前の生コンクリートの打設作業の難易度や効率性、ワーカビリティーを調べる指標のひとつである流動性を示す値のことです。

生コンクリートはスランプ値が大きいほど、流動性が高くなります。生コンクリートは型枠に流し込んで、固めるわけですが、配筋されているので、生コンが全体に行き届くよう職人さんが作業します。

粘性が強い(流動性の低い)生コンは、全体に行き届かせるよう作業するのが難しくなります。逆に生コンの粘性が弱い、つまり流動性の高い生コンなら放っておいても、生コンは全体に行き届きます。その基準がスランプ値なのです。

スランプ値の単位はcmで表され、通常建築物に使用される生コンクリートのスランプ値は15cm~18cmが適正とされています。これは施工業者が荷下ろし時の品質を管理するための受け入れ検査になり、スランプ試験機にて業者と現場監督とで行います。

 

 

④圧縮強度試験

圧縮強度試験とは、材料の圧縮強度および圧縮時の力学性状を確認する試験です。コンクリートの供試体で行います。一般的にコンクリートの強度は、材齢28日時点での強度を示します。材齢とはコンクリートを打設してからの養生日数(経過日数)を言い、この材齢28日の強度「4週強度」を判定するために各都道府県の工業技術センターなどに供試体を持ち込み行います。

また、この「4週強度」判定が合格か不合格かの予測を早めに確認するために1週目に試験を行われることもあります。

試験では、圧縮力を加えたときの供試体の圧縮強度供試体の破壊状態(壊れ方)の2つを確認します。

 

 

3.鉄骨を建てる作業での検査

 

次に鉄骨を建てる作業での検査を見ていきましょう。

 

⑤工場で鉄骨製品検査

 

鉄骨制作工場の製品プロセス(切断・加工・組立・溶接・社内検査など)が、制作要領書、製作図等に適合しているかどうか、現場監督・設計業者と共に確認します。

 

工場での検査が終わりましたら、現場にて鉄骨を建てる作業に入ります。

 

⑥建入検査(建て入れ直し)

「建て入れ」とは、柱の垂直の程度を言います。一般的には柱は垂直に建っており、建方は人が行います。人が行うので、柱が垂直ではない場合や、誤差を生じてしまうことがあるため、建方を進めると同時に、所定の精度になるように位置を直していきます。

 

⑦トルク検査 ボルト本締め検査(デッキ設置前)

トルクとはボルトの力の入れ方です。専用の測定器で図ります。

高力ボルト本締め作業時に立会い、高力ボルトの取り扱い状態の検査を行い、締め付け施工法作業確認の立会、一次締め、マーキング、ピンテールの破断の確認を行います。

 

⑧ジョイント溶接部 超音波探傷検査 (デッキ設置後)

完全溶込溶接部について外観検査および超音波探傷検査を行います。

超音波探傷検査とは、人間の耳には聞こえない高い周波数の音波を試験体に送り出し、その反射エコーを探傷器上に表示し内部の異常や欠陥を探りだす方法です。

探触子から入射された超音波は欠陥があればそこから反射して戻ってくるので、欠陥を検出することができ、入射してから戻ってくるまでの時間を測定すれば、探触子から反射源までの距離を知ることができます。

 

 

4.さいごに

他にもさまざまな検査がありますが、今回は主にコンクリート・鉄骨についての主な検査をまとめてみました。建物は材料を現場にて加工・組み立てを行い、作り上げていくものになります。そのため、より安全な建物であるために、その材料が確かなものかどうかを判断するするため、現場内外で試験や検査が行われていることが少しでもわかっていただければと思います。

 

 

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