Column
お久しぶりです。スイコウ倉庫です。
今回は倉庫の床材で使われる「塗り床」について見ていこうと思います。
塗り床とは、下地コンクリートを保護し美装性を上げる役割を果たす床材です。
現場でコテやローラー、刷毛で塗り付けて仕上げていきます。
それぞれ仕上げの厚みや塗り床の種類によって仕上がりも異なります。
なぜ倉庫床の塗り床が重要になるのでしょうか?
コンクリートのままだと‥‥
・引き裂き強度に弱くひび割れが起きる可能性がある
・摩擦に弱く轍(わだち)ができる可能性がある
・酸、動植物油脂に弱く腐食の原因になる
塗り床にすると大きく分けて3つの効果が期待できます。
・(ひび割れ・轍・腐食が防げ)耐久性が上がる
・作業員の安全を確保できる
・原料や製品の破損を防げる
そのため、倉庫床には塗り床が重要となってくるのです。
塗り床は塗る厚みにも注意が必要です。
コンクリート等の下地の状態にもよりますが、見た目の改善目的なら0.1mmの厚みで十分です。しかしフォークリフトやトラック・重機などを頻繁に走行し、摩耗や衝撃の使用頻度が想定される場合は強度、耐久性を求める必要がありますので、1~2mmの厚みを選びましょう。
ABC商会HPより参照 https://www.abc-t.co.jp/products/material/floor/coatingFloor/
塗り床は主に「無機質系」「(有機系)合成樹脂系」に分かれます。
違いとして、その主成分で分けられ、それぞれの成分から機能・性能として現れる特長が異なります。
ABC商会HPより参照 https://www.abc-t.co.jp/guide/article/20160115001050.html
では、無機質系・有機系(合成樹脂系)をどのように選べばよいのでしょうか。
それぞれの特徴をまとめてみました。
□無機質系
耐火性があり衝撃・摩擦に強いです。物流倉庫・自動車生産工場・駐車場・溶接場など重量車輌などが行き来する場所、不燃性が求められる場所、強い衝撃がかかる床に適しています。
□有機系(合成樹脂系)
防水性・耐薬品・弾性があります。ホコリを嫌い、クリーンルーム・精密機械工場・食品工場など、繋ぎ目がなく清掃性を求められる床に適していると言えます。
また、有機系(合成樹脂系)の種類は、エポキシ樹脂・エポキシ樹脂厚膜・ウレタン樹脂・アクリル樹脂の大きく4つに分けられます。
・エポキシ樹脂
工場、倉庫、学校などの色々な施設で使われている塗料です。
安価なのがメリットです。塗装すると光沢が出て綺麗な印象になり、掃除もしやすくなります。また、比較的早く乾きます。ただし、他の床材に比べると耐久性が低く、熱にもあまり強くないのが欠点。事務所や廊下などの作業をしないスペースに向いている塗料です。
・エポキシ樹脂(厚膜)
厚膜にすると、耐久性、耐摩擦性、耐衝撃性などが上がり、より丈夫な床にすることができます。ただし、厚膜もやはり熱に弱いので、暑くなる現場には向きません。また、普通のエポキシ樹脂はすぐに乾くのが長所でしたが、厚膜の場合はその分乾きにくくなるので注意が必要です。
・ウレタン樹脂
耐久性が高いため、様々な業種の工場で利用できる床塗料です。薬品にも強いので医療系の工場にも向いています。ただし、汚れがつきやすく、状態によってはカビが生えることもあるので、綺麗に保つためにこまめに掃除することが欠かせません。水性のものは塗料特有のニオイがあまり発生しないので、食品工場との相性が良いです。
・アクリル樹脂
4つの中で、一番高価ですが、性能は良いです。エポキシ樹脂に比べて5倍ほどの強度があります。また、塗ってから1時間ほどで固まります。しかし、90℃を超える熱湯に触れると床材が膨れてしまうので、熱湯を扱うところでは不向きです。ダメージを受けにくい床材にしたい、施工後すぐに作業をしたいという場合にぴったりです。
□有機系の特徴をまとめると、このような違いが出てきます。
フォークリフトや重機が移動することも多い倉庫ですが、3900N/㎡以上の床荷重強度を持たせられるように法律で定められています。
変換すると(最低でも)1㎡あたり400㎏の耐荷重が必要です。
①初期収縮によるひび割れ
コンクリートは打設後に湿潤状態を保ちますが、温度や風などの影響により、コンクリートの表面の水分が奪われていきます。
結果、乾燥状態となると表面が収縮しひび割れが発生します。
②乾燥収縮によるひび割れ
硬化後のコンクリートは、内部にある水分及びセメントとの反応で乾燥をすることにより収縮します。周辺の梁などの部材があまり収縮しないものであれば、床のコンクリートのみが収縮し引張応力が発生してひび割れが発生します。
③地盤沈下によるひび割れ
土間コンクリートの場合、地盤の長期にわたる圧密沈下、床のコンクリート自重による圧密沈下、埋め戻し土の転圧不良などにより、床にたわみや不同沈下が起こり、ひび割れが発生します。
倉庫の床は常に厳しい環境で使用させています。そのため定期的なメンテが必要になり、
メンテをすることで従業員の安全性・作業効率の向上につながります。
床の再塗装は、見た目がきれいになることでクリーンな倉庫であるとのイメージUPに繋がりますし、何より耐久性・耐熱性・強靭性など、さまざまな効果を上げることができます。
そのためにも、それぞれの倉庫の用途に合った塗床材の選定が必須であり、業者選定も慣れているところにお願いするのが良いかと思われます。
倉庫・工場などに特化した無柱空間の「システム建築」
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