Column
みなさんお久しぶりです。スイコウ倉庫です。
今回は塗装についてお話していきます。
「塗装工事なんてペンキで塗って終わり!」だと思っていませんか?
もちろん塗装工事中も重要ですが、塗装後も非常に重要になっています。
塗装の種類によって適切な塗装箇所や特徴は様々です。また塗装工事で注意してみていただきたい点もあります。
外壁や屋根は常に外気にさらされる状態です。
そのため適切な種類、方法で塗装を行うのとそうでないとではわずか数年で劣化等の大きな差が生じます。
どのような種類があるのか、どのような点に気をつければよいのか、
簡単にまとめましたので、塗装工事を依頼する際に参考にしてください。
まず、塗料について知ることが非常に重要です。塗料には種類がたくさんあります。色の種類が違うとかではありません(笑)
実際に見ていきましょう。
■「水性塗料」・「油性塗料」とは
まず塗料の種類として外せないのが「水性塗料」「油性塗料」の違いです。
その前に塗料に入っているものから見ていきましょう。
顔料(色のもと)
樹脂(塗膜のもと)
硬化剤(樹脂を固める成分)
添加物(主に塗りやすくする成分)
溶剤(顔料・樹脂・硬化剤・添加物を溶かしている成分)
主にこの5つが入っています。
これらは「油性」でも「水性」でも入っているものは変わりません。
ではどのように水性・油性を区別しているのでしょうか?
答えは溶剤の種類です。
水性塗料の溶剤は「水」で、「においが少ない」「安全性・低刺激・扱いやすさに優れている」「乾燥しても洗剤を使用すれば落とせる」という特徴があります。
一方、油性塗料の溶剤は溶剤の成分がシンナーなどの「有機溶剤」でできており、
「においがある」「水性より比較的、耐久性・耐候性が高い」「塗装可能な素材が多い」という特徴があります。
油性塗料が臭いがするのは、塗料が乾燥し蒸発した際に発生する、有機溶剤そのものの臭いなのです。
■内外による塗料の選び方
内外によって、環境、塗装箇所は大きくかわります。それによって適切な塗料の種類も変わっていきます。
実際に内外で選ぶ条件を上げましたので見ていきましょう。
〈室内の塗料を選ぶ条件〉
・においが少ない
・家具・建具など木部の上から塗装することが多い
・防菌・防カビに優れている
・壁紙やビニールの上から塗装可能
以上が挙げられますので、使うとなると「水性塗料」が良いでしょう。
〈屋外の塗料を選ぶ条件〉
・耐水性、耐候性がある
・木部下地は防虫、防カビ、防藻などに優れている
・鉄下地については雨、塩害、防さびに優れている
以上の点を踏まえると、水性・油性問わず「耐候性」や「耐水性」などが高く、雨や風、日差しに
長い期間さらされても劣化しにくいものが良いでしょう。
■塗料の種類
塗料には主成分によって種類があり、それぞれ特徴が異なっています。
さらにこのような塗料はすべて「水性/油性」「1液型/2液型」に分けることができます。
実際に表を見ていただきまして、比較していきましょう。
外壁塗料の種類の比較
・ハイブリッド塗料
また高機能な外壁塗料に「ハイブリッド塗料」というものがあります。
ハイブリッドとは、性質の異なる複数の成分を混合・組み合わせることを意味します。
上記にある「ラジカル塗料」や「セラミック塗料」といった塗料は、シリコンなどの合成樹脂と、特有の成分を混合(ハイブリッド)して作られています。
最初にもお話しましたが、塗装工事は、単に塗料を塗るだけではありません。塗料や時期によって守らないといけない決まりがあります。
実際に見ていきましょう。
■塗装回数の注意点
・塗装回数とは?
外壁塗装は基本的に、「下塗り」→「中塗り(上塗り1回目)」→「上塗り(上塗り2回目)」の3回の重ね塗りが行われます。
ただし、外壁の傷みが少ない場合は2回塗りで済むこともあります。逆に傷みが激しい場合は塗り回数が4回5回になることもあります。外壁の状態によって塗り回数は変わりますが、基本的には3回塗りが基本となります。
適切な塗装回数を行うと
・提示されている耐用年数が保てる ※耐用年数とは塗料の効果を保てる年数
・すぐ剥がれない塗装になる
・遮熱、防錆、防蝕、防火など塗料の効果を最大限発揮できる
■塗装間隔(OPENタイム)の注意点
・塗装間隔(OPENタイム)とは
1回目を塗装してから、次の工程を行うまでの間隔(塗り重ね乾燥時間)の事を言います。
・守らないとどうなる?
塗装間隔を守らないことで、「塗膜のちぢみ」「ひび割れ」「艶の不良」「もどり」、
などが起こりうる可能性があります。
また時間が経過してから「耐用年数以下で劣化や塗膜が剥がれ始めた」「メーカーが公表する性能がでていない」などが起こりうる可能性があります。
・適切な塗装間隔は?
塗料の乾燥時間はそれぞれ製品ごとに異なり、施工した日の温度によっても大きく変化します。
作業する人数や建物の大きさにもよりますが、夏のように気温が高い時であれば数時間程度、冬のように気温があまり上がらない時は約1日とかなりの差があります。
夏は乾きやすい、冬は乾きにくい、そんな感じですね。
■希釈率の注意点
・希釈率とは?
希釈率は塗料と溶剤を溶かす比率です。これは水性・油性塗料に関係なく、商品ごとに希釈率が異なりますので注意が必要です。
粘度が高いままだと作業性が低下しますが、希釈することで塗りやすくなる効果があります。また原液をその状況に応じた希釈率で希釈することで、環境に適した塗りやすい粘度にすることができるのです。
・守らないとどうなる?
粘度が高い塗料を無理に塗ると、ピンホール(塗膜に小さな穴があく現象)や、塗りムラを発生させることもあり、劣化を引き起こす原因となります。
また吹き付け塗装用の塗料の粘度が高すぎると、機械の噴出口に塗料が詰まり、ホースやスプレーガンでの吹き付け作業ができなくなります。
・適切な希釈率は?
希釈率はほとんどの場合、商品の缶に記載されています。販売メーカーの公式サイトで確認することも可能です。
■屋根塗装の注意点
①層間剥離
・屋根に起きる層間剥離とは?
スレート瓦の表面がめくれかけたり、そりあがったりして、波をうっているみたいな状態になってます。原因としては薄皮の隙間に水が入り込んで、表面が剥がれてしまうことがあるのです。本体表面そのものが剥がれてしまうのですから、塗装をし直しても修繕することはできません。一つでも該当する場合は、塗装工事は避けましょう。
・スレート瓦の小口が横に割れている場合
・スレート瓦に踏み割れが多発している場合
・小口、突き付けのスレート瓦が剥離している場合
・スレート瓦がずれ落ちている場合
対策としては、ガルバリウムのカバー工法か、スレート瓦自体の葺き替えをお勧めします
■タスペーサー
タスペーサーとは?
スレート瓦は、瓦同士の隙間から水が入ると瓦の下を通ってそれが排出される仕組みになっています。
しかし、屋根塗装を施す時に塗料でその隙間が塞がれてしまうことがあると、水が排出できなくなり、水が建物の中に浸出し始めます。。
その為以前は、スクレーパーやカッターなどで瓦同士隙間を塞いだ塗料を切り取りとっていました。
しかし最も効率良く縁切りを行える道具として、近年タスペーサーが使われるようになっています。
このようなものです。
(株式会社セイムHP参照)
〈タスペーサーを使用するメリット〉
・塗装の時間短縮になる
タスペーサーは下塗り段階で設置するため、上塗り後の手作業を省くことができ、塗装工事の作業時間の短縮につながります。
・屋根を傷つけないですむ
カッターナイフでも縁切り作業は可能ですが、職人が手作業でおこなうがゆえに、屋根を傷つける恐れがあります。また、職人によって工事にムラが起きてしまいます。
そのせいで雨水が内部に入り込み、腐食や雨漏りなどのトラブルを招いてしまうことも考えられます
タスペーサーを使用して屋根塗装をすれば屋根を傷つける心配がなく、安心して作業をすすめることができます。
塗装工事は「製品ではなく半製品」で製品なのは塗装だけになります。そのため、誰がどのように塗るかによって、同じ製品でも大きく性質が変わってきてしまう可能性があります。
それこそ、塗装にはさまざまな種類があり、塗る材料においての相性や施工の仕方も様々です。そのため、扱っている製品の特性をきちっと理解して、メーカーが推奨している工事をすることが結果的に建物の寿命を延ばすことに繋がります。
いろいろな業者がいる中から選んで工事をしてもらうわけですから、依頼する側もある程度の予備知識をつけた上で業者選びの「目」を養い、依頼することをお勧めします。
倉庫・工場などに特化した無柱空間の「システム建築」
株式会社スイコウ
〒132-0024
東京都江戸川区一之江 7-65-28
0120-66-0064
お問い合わせ