Column
皆さんお久しぶりです。スイコウ倉庫です。
今回は「止水板」についてお話していこうと思います。前回コラムの「太陽光と蓄電池」でもお話ししましたが、台風や豪雨の被害は年々大きいものになってきています。
特に豪雨や河川の氾濫による水害は深刻なものです。
このような「水害」から建物を守るために重要なアイテムである「止水板」について、今回は倉庫や工場を浸水から守るための止水板について取り上げます。
止水板の特徴と必要性について知っていただき、導入のきっかけになれば幸いです。
■止水板とは
豪雨や洪水などで浸水した道路から建物などの内部に水が侵入しないよう、建物などの出入口や水の侵入経路に取り付ける板のことを止水板といいます。
「防水板」とも呼ばれていますが、主なメーカーは、文化シャッターや三和シャッターが挙げられます。
■種類や特徴があるの?
では、止水板には実際にどのような種類があるのでしょうか。
大きく分けると6種類に分けることができます。
(文化シャッター 起伏式止水板)
(文化シャッター シート式止水板)
(文化シャッター 脱着式止水板)
(文化シャッター 浮力起伏式止水板アクアフロート)
(文化シャッター 止水パネルシャッターアクアフラット)
(三和シャッター スライド式防水板)
止水板といっても様々な種類があるのですね。
止水板は、オフィスビルや学校、倉庫、工場、病院、駅、複合施設、地下街などの、人や物の出入りが多い大きな施設の入口でよく見かけられます。
しかしこんな疑問を抱く方もいらっしゃるんじゃないでしょうか、
「でもそんな大きいもの付けられるの?」
「建てた時につけなかったし今からは難しいはず、諦めよう。」
でもご安心ください。
止水板は後からでも取付け可能ですし、その時だけ取り付けられる簡易的な種類もあります。もちろん倉庫や工場にも取り付けられる種類もあります。
下記の表は、実際の止水板の種類や特徴の比較表です。ぜひ参考にしてください。
■施工事例を見てみましょう
こちらが実際に、現在止水板を追加施工で設置をしているの現場です。
施工場所は東京都江戸川区になります。
両脇にある白い棒は支柱をつける前の下地です。
これが倉庫入り口につける止水板本体と支柱です。
長時間での浸水対応ではなく、突発的で局地的なゲリラ豪雨に対応。
そのため、高さは45㎝で押え、いざというときに素早く簡単設置ができ設置後でも出入り可能になります。
近年、大型台風や集中豪雨での停電や河川の氾濫からなる洪水、土砂崩れ等の被害が増えてきており、大きくメディアに取り上げられるようになりました。
参考に、過去に起こった水害と、当社の地元である江戸川区の被害想定を取り上げました。
そのうえで、3つの水害対策をまとめましたので参考にしてください。
■近年起こった大きな水害
この台風では河川氾濫や土砂災害などが相次ぎました。
各地で300件を超える土砂災害が発生、多摩川や千曲川などの一級河川で堤防が決壊。
また、14都県内で断水や一部地域で大規模な停電が発生し、東海地方から関東地方を中心に、高波による防波堤の損壊や道路の崩落なども相次ぎました。
熊本県を流れる球磨川水系は、八代市、芦北町、球磨村、人吉市、相良村の計13箇所で氾濫・決壊し、約1060ヘクタールが浸水しました。
浸水の深さが最大9メートルに達したとみられる人吉市では、市街地の広範囲が浸水し、過去の水害よりも高い位置まで浸水しました。
また八代市坂本町中心部では住宅に流木や土砂が流れ込むなどの甚大な被害が出ました。
■江戸川区の被害想定
当社がある江戸川区は、荒川や江戸川など大河川の最下流に位置しています。
江戸川付近に降った雨だけでなく、埼玉に降った雨は荒川を通じて、そして群馬や栃木に降った雨のほとんどが利根川に流れ、そのうちの1/3程度が江戸川を通じて江戸川区に集まります。
すなわち、関東地方に降った雨の大半が江戸川・荒川に集まるということになります。
また、江戸川区の7割は海抜ゼロメートル地帯です。
万が一大型台風や集中豪雨で江戸川や荒川が氾濫した場合、区内では1~2週間以上の浸水が続くと想定されています。
■水害対策
このような被害を最小限に食い止めるためにはどのような水害対策ができるのか、実際に見ていきましょう
①「水害ハザードマップ」で水害リスクと浸水深の想定値を知り、対策をとる
建物の周辺にどのような水害のリスクがあるかを知ることが大切です。
そのために活用したいのが、「水害ハザードマップ」です。
最大規模の降雨や高潮による浸水範囲・深さに加えて、避難所など必要な事項を地図上に記載されています。
水害ハザードマップを見ることで、建物の周辺にどの程度の浸水の危険があるかを知ることができますので、その情報を踏まえてどのような備えが必要かを考えましょう。
さらに、建物を守るために欠かせない知識が「浸水深を知る」ことです。
どの程度の深さまで浸水が及ぶのかを知っておくことで、いざという時に建物や建物内にある設備や荷物等を守るための対策を検討することができます。
何もせずにいては、実際に水害が発生した時に大切なお客様から預かっている荷物に被害が及んだり、高額な費用を投資して整えた機械や設備が使い物にならなくなってしまいます。
だからこそ、「浸水深」を事前に知り対策をとることは非常に重要となってきます。
②簡易的な止水対策の準備をしておく
下水が大雨を処理しきれなくなると、排水溝から汚水が逆流する危険性が高くなります。
洗面は洗面器の中、トイレは便器の中に土のうを置き、汚水が逆流してくることを防ぎます。土のうが用意できなければ水を入れたビニール袋で代用も可能です。
また、出入り口や物を出し入れする大きな開口部など、建物内へと浸水する可能性がある箇所に土のうをおくことで、簡易的な止水もできます。
③より確実な浸水対策の設置
いつどのような被害が起こるか分からない自然災害だからこそ、「早く」かつ「簡単に」水害対策を行うことがポイントになってきます。
土のうのような簡易的な水害対策ももちろん必要ですが、やはり「止水板」を設置した水害対策がおすすめです。
土のうによる止水は一時的なものであり、十分な止水効果を期待することはできません。
参考に、下の表を見てください。
この表は日本産業規格(JIS)による漏水量による等級を定めているものです。
実際に防水性能や準備時間など土のうと止水板を比較してみますとこうなります。
表を見ていただいてわかるとおり、土のうは砂を入れると1袋10~15㎏もなり、1段ってわけにはいかないと思いますので、何段も積み重ねていくと時間と労力が必要になります。
土のうに対し止水板は、設置費用はかかるものの、設置してしまえば止水としての効果は十分ですし、止水板の種類にもよりますが止水パネルが約3㎏と非常に軽いものもあり、パネルをはめ込んで固定をするだけ・・・非常に楽です。
これなら女性でも、「簡単に」そして「早く」設置ができますね。
浸水してしまうと最悪の場合、倉庫内や工場内の電気機器類全てが故障する可能性があります。
業務に支障をきたすだけではなく、再び同じような機能を持つ倉庫・工場へと復興させるには、かなりの時間と労力、そして費用が発生します。
だからこそ、止水板を設置しての水害対策をぜひ検討していただきたいのです。
では、止水板の設置に関しても、以前ご紹介した太陽光のような「補助金はあるの?」と気になる方もいらっしゃるかと思いますが、ご安心ください。
自治体にもよりますが、補助金はあります。
以下、あくまで一例ですが、自治体と助成内容を見ていきましょう。
豪雨や台風による浸水被害は、倉庫や工場の運営に致命的な影響を与えかねません。
特に、新しく倉庫を建設する段階においては、止水対策として止水板を設置することを検討している企業にとって、この追加コストは重い負担となるでしょう。
しかし、「システム建築」という建築手法との併用によって、その問題を解決へと導くことが可能です。
■システム建築でコストダウン
システム建築という建築手法は、事前に標準化された部品や素材を組み合わせて建物を構築する方法で、その効率化によって建物自体の建築コスト抑制を実現した建築手法です。
新規倉庫・工場の建設時に、在来工法ではなくシステム建築を導入することで建設費を抑え、これにより節約した予算を止水板の設置へと充てることで、経済的な負担を軽減しながらも水害による浸水リスクを最小限に抑えることができます。
建築費用を抑えることと防災対策を同時に実現することは、企業にとって大きなメリットとなります。
予算の節約と安全対策、この二つを両立させたい企業様は、ぜひこの方法を検討してみてください。
システム建築と止水板の組み合わせが皆さんの新しいビジネスを強力にサポートします。
台風が来ることが事前に分かっていても、建物を守るためにできることはそう多くはありません。
また、昨今の異常気象によるゲリラ豪雨など、対策をとる間もなく浸水被害を受けるケースなど、水害の被害が深刻化しています。
予測不可能な事態に、いかに素早く止水対策が取れるかが今後は益々重要になってくると思われますので、ぜひ前向きに浸水対策の導入検討を始めてください。
新規建設時は、システム建築と一緒に行うことでコストダウンも可能ですので、ご興味をお持ちの方はお気軽にお問い合わせください。
倉庫・工場などに特化した無柱空間の「システム建築」
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