Column
今回は「太陽光発電と蓄電池」についてお話していこうと思います。
私は太陽光発電と聞くと、小学生の理科の時間に、ソーラーカー作った記憶があります。
作ったよ!って方は私と同世代ですね…(笑)
休み時間も持ち出して中庭でどれが一番早いか競ってました。
すみません。
思い出話はさておいて本題に戻します。
最近、災害なども多く、2019年の台風15号による千葉県を中心とした大規模停電が発生し、全面復旧まで約2週間かかったニュースは記憶に新しいと思います。
さらに2021年の2/13に福島県沖で発生したマグニチュード7.1を記録した地震もあり、今後いつどこで台風や地震が起きて停電になってもおかしくない状況です。
その為、災害時でも電気を溜めて使える太陽光発電と蓄電池に再び注目が集まっています。
太陽光発電と蓄電池は何なのか。今回は取り上げていこうと思います。
■太陽光発電・仕組みとは
太陽光発電とは太陽の光エネルギーで発電することです。半導体に光を当てると電気が生まれる「光電効果」という仕組みで発電します。太陽電池(ソーラーパネル、モジュール)は、n型、p型という2種類のシリコン半導体を重ね合わせた構造をしています。
(東京電力HPから参照)
エネルギー源とされる太陽の光は使っても枯渇しないため、再生可能エネルギーの1つとされます。地球温暖化による省エネ活動が取り組まれている現在、世界の国々が太陽光発電に注力しています。
■太陽光発電の単位
太陽光発電だとよく聞くkW・kWhと何でしょうか。下記で簡単に説明していきます。
太陽光パネルの瞬間的な発電能力(出力)を表しています。実際の発電量は、「kW(キロワット)×時間」で導き出されるkWh(キロワットアワー)で表されます。
太陽光発電が「1時間でどのくらい発電できるか」を表しています。例えば、太陽光発電の「5kW」の太陽光発電システムを1時間発電させた場合、「5kWh」の発電量を確保できることになります。
■50kWからいろいろ変わってきます
先程は電気の単位ついて説明しました。
太陽光発電設備は、電気工作物となり、電気事業法の規制を受けます。そのため、50kw未満と50kw以上では、電気事業法の規制が異なります。
50kw未満の太陽光発電設備は「一般用電気工作物」、50kw以上は「自家用電気工作物」となります。実際に違いを見ていきましょう。
・電気事業法上は小出力発電設備となり、「一般用電気工作物」になります
・電気工事士(第一種又は第二種)が作業を行う必要があります
・届出等の手続きは不要です(一部例外有)
・電気事業法上は発電用の電気工作物(発電所)となり、「自家用電気工作物」になります
・電気主任技術者を選任して届け出る義務があります
・第一種又は認定電気工事従事者が作業を行う必要があります
・経済産業省令で定める技術基準に適合するように電気工作物を維持する義務があります
・保安規程を定めて届け出る義務があります
・50kW以上の高圧にする場合には、「キュービクル(高圧受電設備)」が必要になります。
■選ぶ基準
「電気代を節約できる」、「売電収入が得られる」、「災害時等に停電しても電気が使える」
「パネルによる断熱効果が期待できる」このようなメリットのある太陽光発電は、一度設置したらその後何度も買い替えたりするものではなく長期間使用していくものですから、慎重に選んでいきたいところです。
施工業者と相談しつつ総合的に判断することがとても重要です。
そこで太陽光発電を選ぶ基準として3つのポイントまとめてみました。
・パネルの種類(単結晶・多結晶)
太陽光パネルの中には、シリコン系のアモルファスや多接合型、化合物半導体系のCISやGaAsなどが挙げられますが、主に使われているのはシリコン系の単結晶パネルと多結晶パネルの2種類です。
この二つを比較すると次のような表になります。
・適正を知る
先程の上の表のように
面積が狭くてもある程度発電量がある単結晶パネルは住宅用に適しており、
価格と性能のバランスのいい多結晶パネルは産業用に適しています。
・メンテナンス対応
いくら性能が良くても、砂やほこりでパネルが汚れてしまっていては、発電量は少なくなってしまいます。また太陽光パネルは屋根に設置することが多い為、普段目につかず、内部の劣化に気付かないケースも多いです。そのためメンテナンスは非常に重要です。メンテナンスは、設備箇所によって専門的な知識を必要とするところも多くあります。そのため一定の資格のある専門技術者、あるいは専門技術者を擁する販売店、施工業者等に依頼しましょう。
太陽光パネルのメンテナンスのど資格はどのような資格あるのでしょうか、早速見ていきましょう。
一般社団法人太陽光発電安全保安協会(JPMA)が付与している資格で、資格認定講座や技能講習会を受講し、確認テストに合格すると資格を取得できます。
協会の講習や研修を修了した者に「技術認定」が交付され、保守点検を行うことができます。
いかがでしょうか、一概に太陽光発電を設置し電気を使いたいとなっても、建物や設備規模、によって、太陽光パネルの種類やメンテナンス業者など色々選んでいかなくてはいけないことが分かったと思います。
しかし太陽光パネルは発電する装置であって、電気を貯めることはできません。
これでは非常時に太陽がパネルに当たっているときにしか電気を使うことができません。
困りますよね…
それでは太陽光パネルで発電した電気はどのような装置で貯めるのでしょうか。
…それが蓄電池なのです!!!
次項では蓄電池について説明していこうと思います。
太陽光パネルと一緒に設置したいのが蓄電池です。太陽光発電システムと蓄電池は相性がよく、相乗効果が期待できる組み合わせです。
近年、「節電対策で電気を自家消費したい」「災害による停電が心配…」という観点から蓄電池の導入を検討している人が増えています。蓄電池システムは、建物や規模、使用用途など、目的に合わせて導入しなければ、安定した電力を供給することはできません。そこで、導入を検討している方の参考となるよう、蓄電池とはどういう仕組みになっているか、また蓄電池システムを選ぶためのポイントをまとめてみました。
■蓄電池の仕組みとは
まず蓄電池とは充電した上で、再利用可能な二次電池のことを指します。身近なところでは、スマートフォン向けの、充電式モバイルバッテリーが挙げられます。
下記の図は、太陽光発電で作った電気を蓄電池に溜める簡単な仕組みについて見ていきます。
太陽光からいきなり分電盤に経由させ家庭用電力に通すのではないのですね…
これはなぜかといいますと、太陽光パネルは直流電気しか作れず、家電は交流電気で動いている為、「パワーコンディショナー」という、直流・交流電気に変換する装置が必要になってくるのです!!!!!
図は分かりやすく、簡単に説明していますので、実際のところもう少し細かいです。
太陽光発電のパワーコンディショナーで発電した直流の電気を家庭で使える交流に変換し、蓄電池のパワーコンディショナーで交流の電気を再び直流の電気に変換して蓄電池に溜めるという形になるというわけです。
■選ぶ基準
・蓄電容量と定格出力
蓄電容量…蓄電池にためておける電気の量で、kWまたはkWhで数値を表します。
家庭用蓄電池の場合、3〜4.5kW程度が主流でしたが、最近では7〜12kWものもあります。家庭用蓄電池で7kWあれば、家族4人で昼間充電し、夜は蓄電池電気を放電することでこと足りると思います。
当然ですが、容量は大きくなればなるほど、蓄電池の価格はあがります。
定格出力…蓄電された電力を一度にどれくらい出力できるかを表す数値です。
定格出力と容量の関係は、貯水量(どれくらい水を貯められるか)と蛇口(蛇口から出る水量)の関係性で考えるとわかりやすいと思います。
このような感じです。
・全負荷型と特定負荷型
蓄電池には「全負荷型」と「特定負荷型」があります。簡単に説明していきます。
全負荷型…停電時に家中の電気を全て蓄電池の電力でまかなうことができ、停電時であっても普段と同じように生活することができます。住宅などの小規模な建物に適しています。
特定負荷型…停電時に蓄電池から電気をまかなう回路を事前に選び、選んだ場所のみ電力を賄うことができます。そのため、必要最低限の回路を停電時に使用できます。例としましては、キッチンの電気回路を指定した場合、キッチンの冷蔵庫や電子レンジなどは使用できますが、リビングが別回路である場合にはリビングの電気は使えません。事務所や工場・倉庫などの大規模な建物に適しています。
一部例外はありますが、蓄電池の100V対応の機種は特定負荷となっており、200V対応の機種はほぼ全負荷タイプとなっていることが多いです。
■消費電力はどれくらい?
それでは、太陽光パネルで発電し、蓄電池で電気を溜めることが分かっていただけたと思います。
しかし、どの電化製品がどれだけ電力を消費しているかを把握しなければ、
どういった容量の太陽光発電や蓄電池を選んでいけばよいか分からなくなると思います。
実際、住宅で使われる主な電化製品はどれくらいの消費電力があるのでしょうか????
下記の表は一日の主な電化製品の消費電力と使うおおよそ使用時間帯です。
こちらを見ていただいて、太陽光パネルや蓄電池の選びの参考にしてみてください。
太陽光発電・蓄電池についてわかっていただけましたでしょうか?
しかし設置するとなると設置・施工費や太陽光パネル・蓄電池そのものの費用等かなりのコストがかかってきますよね…
ここでは太陽光発電・蓄電池の補助金が出ている自治体もありますので、住宅向け・企業向けそれぞれ比較しながら見ていきましょう。
たくさんあるので、弊社近隣自治体のほんの一例を挙げてみました。詳細等は各自治体のHP等をご覧ください。
東日本大震災や昨今の大型台風の災害を契機にエネルギー供給の制約や集中型エネルギーシステムの脆弱性が顕在化され、こうした状況に対して、エネルギー供給のリスク分散やCO2の排出削減を図ろうとする機運が高まっています。このように「分散型エネルギー社会の実現」は、災害時のライフラインの安定的な確保という視点だけでなく、エネルギーの効率的活用や、地域活性化等の意義があり、企業においても、自らの事業の使用電力を100%再エネで賄うことを目指すRE100を宣言する日本企業は年々増えております。
太陽光発電はつくった電気を「売る」から「使う」時代へ
そして蓄電で溜めた電気を効率よく使用し自らを守る時代へ進んできているのではないでしょうか。
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