Column
新型コロナウイルスの感染拡大が依然として収まらない中、建物の建築施工を考えていらっしゃる方も多いと思います。
今回は、皆さんも気になっていると思います、現場での感染症対策やコロナ禍での建築業界の変化について見ていこうと思います。
現場での感染症対策として、入場時の検温、消毒用アルコール常備、作業中のマスクなどの基本的な対策は定着してきました。
もちろん現場監督者や職人の感染リスク対策も必須ですが、施主様や現場の近隣住民のみなさまに対して感染防止対策も心掛けており、プロとしての意識の高さを示す狙いもあります。
また、リフォーム現場は新築と比べると顧客が住みながらのリフォームも多いため、感染症対策がより一層シビアになっており、お客様から徹底した感染防止対策を求められるケースも多いです。
リフォーム現場を問わず、建築現場では「見える形での対策」の重要視されています。
■住宅業界における感染予防ガイドライン
コロナ禍による新たな現場様式として、
2020年5月21日に住宅生産団体連合会は「住宅業界における感染予防ガイドライン」を公表しました。
具体的な対策案として・・・
・現場職人の現場入退場及び検温結果を記録・保管
・仮設水道を整備し、せっけん(必要に応じて手指の消毒施設及びペーパータオル)の設置
・朝礼や現場事務所等における対人間隔の確保などのほか、ドアノブや電気のスイッチといった共有設備の洗浄・消毒
・重機や車両のハンドル・操作レバー等の消毒
・建設現場への移動・立ち入りについては車両移動時の同乗・相乗りの回避
・休憩スペースについては喫煙時等の対人間隔の確保や休憩時間をずらす
などをガイドラインとして示しました。
また、国が提供する『接触確認アプリ COCOA』【※1】 の利用で登録した日から陽性者との接触確認が容易にわかり、早い段階での対処が行えるようになりました。
現在、病院に行かなくても、PCR検査・抗体検査が手軽に行え、検査キットで唾液や採血等を送り返してから遅くても中1日あれば結果が出てくる状況です。
現場に迷惑をかけず、問題なく進めていくためにも、十分な対策と予防と早い対応が欠かせなくなってきております。
【※1】現在、ダウンロード数 2148万件 陽性登録件数4108件(2020年12月11日現在)
現在、建築業界はコロナ禍を背景に住宅事業者全体での当面の受注数の減少は確実とみられています。
国交省公表の今年4~8月の建設業全体の受注(公共・土木含む)の対前年同期比は
マイナス6.2%(2020年4~8月の5ヶ月累計を2019年同期間累計と比較)でした。
また、野村総研調べでは
2020年度の新設住宅着工戸数は前年比マイナス17%の73万戸と見込みでおります。
このような中で、建設会社各自が工事の連携によって、「低コスト」「短工期」などの差別化を強く意識し始めています。
建築工事にはいろいろな業種が関わってきておりますが、関連のある業種においては1社にて完結させることで元請け会社としての施工管理の負担減、人手を確保でき、連携がスムーズに行うことで、「低コスト」「短工期」という差別化に繋がります。
現在、建築業界では「人手不足」「生産性の低さ」が大きな課題になっており、業務の効率化が求められています。
実際、コロナ渦を背景とした受注減がみられても「若い世代からのなり手がすくない」ことや、「現場での作業が多い労働環境」によって建設現場の人手不足の緩和に繋がっていないのが現状です。
さらに今日のコロナウイルス感染拡大を背景に工事の中止・工期の延期や、打ち合わせや会議の中止・延期が相次いで起きたことで、建築業界全体として業務の効率化に力を入れるべきであるという見方が増えてきました。
今後、このような現状の課題解決を握っているのがIT化です。
IT化の例としまして・・・
・建設現場や設計の仕事で時間が掛かっていた作図作業
・イメージの共有
・書類作成
・データの共有、整理
などが挙げられます。
ITの利活用への取り組みは、これまでは建設業界の生産性向上に向けた一つの柱でありました。今後は生産性向上に加え、ウィズコロナ、アフターコロナの状況下における建設業界の人手不足の解消に繋がる取り組みという性質も、強まっていくと言えるかもしれません。
今回のコロナ禍での受注減などのマイナスな影響だけではなく、業務の効率化の改善が課題となっている建設業界でのIT化を進める、よいきっかけになったのではないでしょうか。
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