Column
スイコウ倉庫です。
関東甲信地方も梅雨に入りましたが、倉庫・工場の屋上やベランダなどの防水機能の劣化を放置してはいませんか?
放置してしまうと、漏水を引き起こすだけでなく、建物内部にも影響を与えるため、建物自体の寿命を短くしてしまいます。
この機会にメンテナンスを行い大切な資源を維持してみませんか?
防水工事と聞くと、「お風呂とかキッチンとか水回りの工事かな」という思う方もいるかもしれません。
実際には住宅・ビル・工場・倉庫といったありとあらゆる建造物における雨水を遮断し、漏水を防ぐことを目的とする工事のことをいいます。ベランダや屋上部分ですとイメージしやすいと思います。
これらの防水工事には用途・躯体の種類によって様々な工法・材料がありますので、細かく見ていきましょう。
①防水工事の工法
密着工法
雨水や雪の侵入を防ぐために防水層を何層も重ね、下地に密着させる工法です。
■メリット
・大きな器具を必要としないため工期を短くできる
・防水面に継ぎ目がないので、見た目がきれいに仕上がる
■デメリット
・防水層が下地に密着するため、下地となる部分の状態が悪化している場合はひび割れや膨れが発生しやすく、工事が難しい
絶縁工法
下地と防水層を密着させずに空気を含ませ、通気層を造る工法です。
下地と防水シートの間に絶縁シートを入れて施工することが多いです。
■メリット
・防水層が下地から浮いているため、下地に多少ひび割れや浮き、濡れていたりしても施工可能な場合もあり下地の状態が悪くてもその影響を受けづらい
■デメリット
・一般的に歩行する程度は問題ありませんが、重い物を置いておく場所には適していません。
★こちらが弊社が実際に施工を行った絶縁工法の防水工事です
↑ 絶縁シート
↑ 紫外線や熱による変化が少ない高耐久防水シート
②防水工事の材料
アスファルト防水
ビルやマンションの屋上、一般住宅における平面状の屋根などで多く採用されています。
アスファルトに合成繊維不織布を含ませて作った防水シートと下地を熱で密着させていきます。
■メリット
耐久性に優れている
■デメリット
シートを熱して溶かす際に、においや煙が生じるため、周辺への影響を抑えながら工事する必要がある
塩化ビニールシート防水
塩化ビニールシートを下地に貼りつけていく防水工事です。
■メリット
・耐久性と耐摩耗性もあるので軽歩行が可能
・既存のシートが傷んだら、そのまま塩ビシートをかぶせて使用することもでき、低コスト・短期間で工事が可能
■デメリット
・複雑な形状の下地ではきれいに施工できない場合がある
・衝撃に弱い
塗膜防水(ウレタン防水)
液体状のウレタン樹脂を複数回塗布し、化学反応で硬化させて防水層を作ります。
■メリット
・比較的安価で場所を選ばずに施工できる
・防水層が軽いので建物に負担がかからない、定期的なメンテナンスで水や雨、雪、紫外線などによる劣化から長期にわたって施工箇所を守ることができます。
・複雑な造りの場所でも、シームレスで美しい見た目を形成できることもメリットのひとつです。
■デメリット
・職人の技術によって仕上がりに差が出てくる
・施工中は雨に弱く、硬化不良の可能性がある
塗膜防水(FRP防水)
FRPとは繊維強化プラスチックのことです。ポリエステル樹脂を塗布してからガラスマットを貼りつけ、防水用ポリエステル樹脂を染み込ませて硬化させる方法です。
■メリット
・軽量で強靭
・耐酸性があり、酸性雨や紫外線から建物を長期的に保護することが可能
■デメリット
・アスファルトシート防水と同じく施工時においが出る
・職人の技術によって仕上がりに差が出てくる
他にも浸透性の高い材料をコンクリートの表面に塗りつけることで、防水性を維持できる、
「透水性防水」などがあり、コンクリート躯体で、地下の内外壁や屋上、エレベーターピット、受水槽などでよく採用されています。
コンクリートの隙間に浸透していき、コンクリート自体の防水機能を高めます。さらにコンクリートの劣化防止やひび割れの防止にも効果があるので、建造物の耐久性を高めてくれます。また、溶剤を使用することもないので、作業環境がいい状態で施工を行うことが可能です。
その1:建物の強度の維持
漏水は倉庫や工場など建物全体の耐久性を著しく低下させます。水が建物の内部に入り込むと、木造では建物を支える柱や梁が腐ってしまいます。また、コンクリートは中性化して鉄筋に錆が生じてしまい、耐久性が低下してしまいます。
これらを防ぐ為に防水工事をおこない、水が建物の内部に入り込まないようにして、建物の強度を保ちます。定期的なメンテナンスにかかるコストを抑えるためにも、最初にしっかりと防水工事を行っておくことが重要です。
その2 建物の外観や内観の維持
木造・コンクリートにかかわらず、雨水は建物内外の外壁材や内装材などに染みや変色を生じさせて見た目を損ねます。防水工事を行うことで、経年劣化を防ぎ、美観を保つことができます。適切な防水工事は、建物の美しさや機能を保ったまま保全する上で、非常に重要な役割を果たしているのです。
その3 省エネルギー効果
その他にも防止工事においては高性能な断熱材で覆う防水工事などがあり、下地のスラブコンクリートが保護されるため外気温との温度変化が少なく結露が起きにくい、そのためカビの発生を押え、建物内も冷暖房効率が上がり、省エネ性を高める結果に繋がります。
このように防水工事は、将来にわたって安心・安全に建物を使い続けるために欠かせないものなのです。
☑ヒビが入っている
☑雨漏りしている、天井に雨漏りの跡がある
☑水はけが悪い
☑破れている箇所がある
☑膨れて波打っていたり、浮き上がっている箇所がある
上記のどれか一つでも当てはまったら、防水工事が必要なサインですので、早めに業者へ点検を依頼し、防水工事を行うことをお勧めします。
当社がご案内しているシステム建築では、屋根を構成する「ルーフィングシステム」及び壁を構成する「ウォールシステム」において、屋根材や壁材を留めるために使用するファスナーにはシステム専用のものを使用しています。
例えば、特殊パッキングによって高い水密性と気密性を確保し、部材自体には対候性に優れたステンレスを使用することで経年による劣化を防ぐ能力を高めています。
また、SSルーフにおいては、水密性を高めるための2重ハゼ工法を採用しています。
このような建築当初における構造細部のこだわりが雨漏りや腐食から守り、 防水性の高さを実現しているのです。
元々の防水性能の高さは、やはり年を得た時の「水」によるリスクを格段に減らします。
リスクが減る=建物を長く維持しやすいということです。長期視点で見場合には大幅なコストカットにもつながりますよ。
防水工事の耐用年数は一般的に10年~15年と言われています。
漏水してしまうと、まず漏水個所を探すところから始めなければならず、余計な経費が掛かってしまいます。
また、大切な建物の価値が下がるだけではなく、倉庫や工場においては稼働を一時中止しなくてはならない、大事な商品が出荷できなくなってしまう、という可能性も。
そうならないためにも、早めの確認が重要ですし、建築当初の防水性の高さも気にする必要があります。
近年は防水性能も非常に高くなっていますし、補助金を出している自治体もありますので、少しでも建物の防水性に不安があるようでしたら、安心して任せられる業者へ相談してみてはいかがでしょうか。
また、倉庫・工場建築において、防水性の高さとコストパフォーマンスに優れた建築工法をお探しの方はぜひシステム建築によるプランがおすすめです。
在来工法との違いやシステム建築ならではの特長をご紹介しますので、詳しくはお気軽にスイコウまでご相談ください。
倉庫・工場などに特化した無柱空間の「システム建築」
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